シャネル 2026-27年秋冬オートクチュール:妖精の森から届いた、物語を纏うドレス
公開日:2026年07月23日
カテゴリー:ファッションニュース / コレクション / シャネル
「服は、ただ身体を覆う布ではない。一人ひとりの物語を語る、魔法の媒体だ」
シャネル(CHANEL)の2026-27年秋冬オートクチュールコレクションは、アーティスティック・ディレクターのマチュー・ブレイジーが、ガブリエル・シャネルの本棚で見つけたという一冊の古い童話集『Les Fées, Contes des Contes(妖精たちーおとぎ話集)』から着想を得ました。
会場を覆うのは、巨大な豆の木や毒々しいほどに美しい花々。モデルたちは、現実と空想の狭間を歩く物語の主人公のように、シャネルの卓越したサヴォアフェール(職人技)で仕立てられた一着を纏い、ランウェイを歩みました。
コレクションの源流:ガブリエルが見つけた「妖精の物語」
今回のコレクションの核にあるのは、「おとぎ話」という普遍的なテーマです。
インスピレーションの源: マチュー・ブレイジーがガブリエルの書斎で発見した小さな本。そこには、想像力をかき立てる妖精たちの物語が綴られていました。
現実と空想の架け橋: 童話の魔法のような世界観を、あくまで現代を生きる女性の「日常着」としてどう表現するか。その葛藤と調和が、今季のシャネルらしさを生み出しています。
物語の主人公: 各ルックは、『ジャックと豆の木』や『みにくいアヒルの子』など、誰もが知る物語のワンシーンを切り取ったかのよう。着る女性一人ひとりが、自分だけの物語の主人公になれるようなデザインです。
職人技が紡ぐ、植物と妖精のディテール
シャネルのオートクチュールを語る上で欠かせないのが、アトリエの驚異的な手仕事です。今季は特に、「植物」と「妖精」のモチーフが随所に散りばめられています。
空へ伸びる「ジャックと豆の木」: シルクモスリンのスーツやロングドレスには、立体的なレースや刺繍で表現された太いツルが巻き付いています。まるで服を着たまま空へ駆け上がっていくかのような、生命感あふれるデザインです。
花開くストーリー: イエローフェザーのテープで構成されたジャケットのボタンには、ひまわりの種から大輪の花が咲くまでの物語が刻まれています。
妖精たちの棲家: カラフルな花々や、いたずら好きなネコたちのモチーフが、ツイードやシースルーの生地の上にアップリケや刺繍で表現されています。
注目のルックとアイテム
コレクションの中から、特に印象的なルックをいくつかご紹介します。
【象徴的なスーツ】
シャネルのアイコンであるツイードスーツが、童話の世界で生まれ変わりました。
デザイン: 上品な透け感のあるシルクモスリンに、魔法の豆の木を思わせる立体的なレースを組み合わせた一着。
魅力: 伝統的なシルエットを保ちつつも、幻想的なディテールが加わることで、まるで森の妖精が纏うような神秘性を放っています。
【冒険心をくすぐるジャケット】
イエローフェザーを使用した、遊び心あふれるジャケットも注目の一着です。
デザイン: 藁(わら)のような質感のイエローフェザーを細いテープ状の紐で構成。一見すると粗末な身なりにも見えますが、それは冒険に出る主人公のたくましさを象徴しています。
スタイリング: デニムを彷彿とさせるブルーのツイードパンツと合わせることで、ファンタジーと日常が見事に融合しています。
【白鳥になった「みにくいアヒルの子」】
フィナーレを飾るような美しいドレスには、ある物語の結末が刺繍で表現されています。
デザイン: ドレス全体を覆うのは、羽ばたく白鳥を模した繊細なビーズ刺繍。
意味: 「みにくいアヒルの子」が美しい白鳥になるという変容の物語は、オートクチュールを纏うことで自分自身を解放する女性の姿と重なります。
コレクションのキーワードまとめ
キーワード 詳細・特徴
テーマ おとぎ話、妖精、物語性、ガブリエルの書斎
インスピレーション 『ジャックと豆の木』『みにくいアヒルの子』『3びきのくま』
主要モチーフ 豆の木のツル、花々、ネコ、白鳥、ひまわり
主要素材 シルクモスリン、フェザー、立体レース、ツイード、シースルー
サヴォアフェール 立体刺繍、ビーズワーク、アップリケ、フェザー細工
結論:日常に魔法を連れ帰る、シャネルのオートクチュール
今回のシャネル 2026-27年秋冬オートクチュールコレクションは、単に美しい服を提示するだけでなく、「服を纏うことの意味」を改めて問いかける内容でした。
童話や物語が持つ、普遍的な魅力を感じたい。
シャネルの卓越した職人技(サヴォアフェール)の極致を体感したい。
日常の中に、非日常の魔法や遊び心を取り入れたい。
マチュー・ブレイジーが描くシャネルの世界は、過去へのオマージュでありながら、常に未来を向いています。妖精たちが棲む森から抜け出してきたかのようなその一着は、着る人の心に眠る「物語」を優しく呼び覚ます魔法の鍵となるはずです。
【問い合わせ先】
シャネル カスタマーリレーション
TEL:0120-30-0030